2006年09月05日

★編集者のひとりごと 008 2006-09-05

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(7月10日、宮古島・池間島にて撮影)

沖縄ブームだそうだ。
美しい海、豊かな人情、暮らしやすい物価・・・

定年退職後の夫婦や、定年を待たずに移住する中高年が増えているという。憧れの土地、というわけだ。南の島には、癒しがあると人はよく言うが、本当だろうか。

どうも胡散臭い。旅行会社の宣伝文句じゃあるまいし。軽々しく「癒し」ということばを使う人には、思考停止の面影がある。

癒しというのは、自分だけが救われればいいという、きわめて我欲の強い考え方だ。現代では、降りかかるストレスに耐えかねて、誰もが癒しを求める。

だが、と思う。
自分が救われることが、そんなに大事なことかね・・・。

てなことをついつい考えてしまうのは、いま、宮古島在住の作家のデビュー作の編集作業に没頭しているからだ。
   
著者は永坂壽(ながさか・ひさし)、本のタイトルは「異物」という。4編の中短編を収めているが、どれも南の島を舞台に繰り広げられる、内地からやってきた人間と島の人間との異和感を掘り下げている。刊行のあかつきには、ぜひ、読んでいただきたい。

かくいう私も、ここ1〜2年、年に3、4回、沖縄を訪れている。

私が感じるのは、癒しではなく、郷愁だ。
世界がまだ複雑になっていないときにあった、ある単純な風景、永劫につづくような繰り返し、そして、太陽に逆らわない、ありのままの感受性だ。その感覚がなになのか、たしかめたくて、沖縄に、いや、正確には、宮古島へ通ってしまう。

人生はそれほど難しくないのだ。
難しくしているのは、じつは我々自身なのだ、
それを一度、じっくりと考えてみる必要がある、
ということを、紺碧の海が教えてくれることもある。




久しぶりにビジネス書を読む。「起業家の本質」という本だ。起業家とは、現状に満足できない人を指す。だから、新しい地平を自ら開拓しようとする。それはビジネスの世界だけの話ではない。芸術家や科学者もそうだし、ことによったら、遺伝子もそんなふうに振る舞っているかもしれない。「起業家」の本質とあるが、ここに書かれた哲学は、新しいことに挑戦しようとする、あらゆる人に通じる考え方だ。

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(『起業家の本質』フィルソン・ハーレル、
英治出版、2006年)

(和田文夫)

posted by サンシロウ at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ★編集日記
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