(入江にて:写真をクリックすると拡大します/シグマ、DP0 Quattro)
宮古滞在、最終日。帰りの飛行機は午後遅くなので、午前中に宿をあとにして、イムギャーへ向かう。帰る前に、もう一度、蒼い海を見ておこうと思ったからだ。途中で、197号線へ折れる。入江集落だ。前回、その並木道の感じがあまりに良かったので、写真を撮った覚えがある。途中で、路肩の大木を見つけて、車を停める。木陰に吸い寄せられた格好だ。やれやれ。イムギャーをあきらめ、入江を散策することにした。
(入江にて:写真をクリックすると拡大します/シグマ、DP0 Quattro)
炎天下、突きぬけるような青空に、真っ白な入道雲がわきあがる。まるで、宮崎駿のアニメみたいだ、などと思いつつ、まだ小さいサトウキビが風に揺れるのを、ぼんやり眺めている。
(入江にて:写真をクリックすると拡大します/シグマ、DP0 Quattro)
取り立てて何もない道を歩いていたら、石碑を見つけた。そこには、クバカ城跡と記してあった。城主、久場嘉按司は、強力無双の人であったと、1727年の「雍正旧記」に記されているという。いやはや、宮古に30回以上も通っているのに、城跡があったとは。初めて知った。城跡は、木立に囲まれていて、テニスコートくらいの広さだろうか。大きなハトが、芝生の上で、ぽつんと立っていた。熱くないのだろうか。心配になる。というより、自分の心配をしたほうがよさそうだ。入り口付近にあった、小さなあずまやで一休みする。もしハトが歩かなかったら、もし雲が流れていかなかったら、時が止まっていると、確実に思ったことだろう。
(入江にて:写真をクリックすると拡大します/シグマ、DP0 Quattro)
いつも思うのだが、6泊7日ごとき、矢のように過ぎてゆく。最終日になると、昨日、宮古に来たばかりなのに、という錯覚におちいる。人生と似ている。後ろ髪引かれる思いで、お気に入りの道を、ゆっくりと心に刻みながら車を走らせる。