2020年09月08日

『孤島の発見』電子書籍化日誌(6)2020年9月8日

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来間島には、こうした小さな浜辺がたくさんある。もちろん、それは来間島にかぎったことではなく、宮古のいたるところにあるだろう。

この、小ささが、こぢんまりした様子が、ぼくは好きだ。人にはそれぞれ、好みの大きさがあるのではないかと思う。久米島ほど小さくはないが、沖縄本島ほど大きくはない。その大きさ、度合いが、ぼくにとっては相性がいいのだろう。

そういえば、この浜辺に腰を下ろし、ペットボトルの冷たいお茶を飲んでいたら、観光で訪れたらしい若い女性が二人、記念写真を撮りにやってきた。二人の話し声は、もちろん、ぼくの耳にも聞こえてくる。

「ねえねえ、ここにさあ、パラソル持ってきて、クーラーにビールとワイン、チーズにカルパッチョ、超天国だよね、明日、来ようか」

天国を超えた「超天国」なるものが実在するのかどうか、僕は知らないが、言いたいことはよくわかる。僕としては、この浜に小さな小屋を自力で建てて、住んでもいいと思っているくらいだ。

[この写真は、2007年7月11日に撮影。2007年の紙版『孤島の発見』には未収録]
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