本ブログでも、発売に先立って沖縄市・プラザハウスで開催された出版記念個展の模様をお伝えしたが、ようやく全国発売にこぎつけた。
前にもご紹介したが、まずは、本のカバー(表+裏)をご覧ください。
全国の書店で取り扱っていますが、部数がそれほど多くないので、注文扱いになるかと思います。
また、オンライン書店のアマゾンでも注文可能ですので、ぜひ、ごらんください。
『沖縄正面 七十七壁と一つの手押し車』ダニエル・ロペス著
ガイアート・コレクション 地球の眺め方-2
(『孤島の発見』につづく、シリーズ第2弾)
A4変型判(タテ210×ヨコ210ミリ)
本文5色刷り/総頁数96頁/ハードカバー
定価:2,940円(税込)
発行 ガイア・オペレーションズ
発売 英治出版
著者のダニエル・ロペスさんは、スペイン人の両親をもつスイス人。
世界を放浪しながら写真をとりつづけ、沖縄の魅力にとりつかれ、首里に移り住み、沖縄県立芸術大学大学院で学ぶ。
あるとき彼は、最高の芸術作品が、自分のすぐそばにあることに気づく。
長い時の流れと強烈な太陽、風や雨などによって、自然に完成した芸術作品である「壁」を発見したのだ。
目の眩むような色彩の饗宴、侘び寂び、朽ちていく美……
ページをめくれば、心がときめき、解放されていくのがわかるだろう。
「序文」は、ロペスの友人であり、沖縄に住居をかまえ、国内外で活躍する演出家の宮本亜門さんに執筆していただいた。
では、本文の一部をご紹介しよう。
いかがでしょう。
なんの変哲もない壁なのだが、見ているうちに、なぜか、懐かしい記憶が頭をもたげてきて、さまざまな思い出が去来する。
一瞬の生、あるいは長きにわたる時の流れ、光と影、乾いた諦念、そんな印象にからめとられてしまう。
ぜひ、本書を手にとって、こころゆくまで味わっていただきたい。
面白いのは、この写真集を見たあと、街を歩いていると、思わず、あたりの壁をじっと見つめてしまうことだ。
そう、この写真集は、これまで気づかなかった、世界の見方、楽しみ方を教えてくれるのだ。
ここで、ダニエル・ロペスさんのプロフィールをご紹介しよう。
1970年、スイス(ジュラ州)に生まれる。両親はスペイン人。
1995年から、航空関連会社に勤めるかたわら、ヨーロッパ各地で写真やマスメディアに関する活動を始める。
2000年、写真家として活動しながら、東南アジア、韓国、日本などを旅する。
2003年、沖縄へ移住。現在、沖縄県立芸術大学大学院で学ぶ。写真家として、雑誌のプロデュースやビジュアルデザインなどを手がける。また、沖縄のテレビでパーソナリティも務める。スイスと沖縄の文化交流に積極的に取り組んでいる。
最後に、ダニエルさんの「まえがき」を掲載します。
無名の人の手で作られ
自然の要素で手直しされた
思いがけない芸術作品
これらの作品は
街に南国の香りを感じさせ
甘美なまでの混乱を映している
そして関心が向けられるのを待っている…
なぜなら
己の余命を悟っているから…
―ダニエル・ロペス(本文より)
(和田文夫)