2009年07月25日

読書日記(012)2009年7月25日

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(2009年7月1日 午後3時53分 那覇空港にて)



午後、アマゾンから本がとどく。
カッターナイフで、包装のテープを切りながら、それにしても、
人はなぜ、本など買うのだろうか、と、やくたいもないことが
頭にうかぶ。

人は、物語を探している。

たいして楽しくもないし、面倒なことばかりで、気苦労がたえ
ず、心が浮き立つこともない淡々とした日常の断片のなかで、
なにか、一本、筋の通った物語を求めているのかもしれない。

これを書いている今、BGMで流しているビル・エバンスのア
ルバムから、「サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」が
流れてきた。そう、いつか、王子様がやってくる人生なら、日
々の倦怠に堪えられるかもしれない。

妄想はさておき、アマゾンの段ボールから出てきたのは、

 『薄暮』篠田節子
 『1Q84』上下、村上春樹
 『天気のひみつ』ナショナル・ジオグラフィック、立体絵本

だ。

まず、『天気のひみつ』を、開いてみた。
飛び出す絵本の仕掛けで、大いに期待していたが、ちょっと肩
すかしをくらったような気分。まあ、子ども向けの絵本なので、
過剰に期待した自分がよろしくない。

こういうのは、日本人が編集・造本したほうが、実に緻密で繊
細、舌を巻くような本に仕上がるのではないだろうか。とはい
え、企画としては、おもしろい。教育的な意図をもった本は、
往々にして「硬い」ものになりがちだが、楽しんで、刺激を受
けながら読むことができる編集の仕掛けというのは、ますます
大切になってくるのではないかと思った。

知識というのは、学び、頭のなかに格納するものだろうか。そ
れとも、現実にあれこれ試してみながら、筋肉にたたき込むも
のなのか。

篠田節子の『薄暮』は、奥付発行日が今月の1日だから、最新
刊といっていいだろう。少し前に読んだ『仮想儀礼』があまり
に面白かったので、もう一度、あの感動を、ということか。出
だしの数行を読みはじめたが、あっという間に数ページが過ぎ
ていき、あわてて本を閉じる。危ない。

村上春樹は、買うべきかどうか、ぐじぐじと迷っていた。みん
なが右へ行こうとすると、左へ行きたくなる。あっという間に
100万部を突破したということが不思議でならない。ハリーの本
ならわかるが・・・そんなことで躊躇していること自体、自分
の卑小さを証明しているだけだが、まあ、文庫本の小さい活字
で読むより、単行本で読んでおくか、という、あきれた理由に
よって、購入した。

出だしの数行を読みはじめたが、すぐに物語のシーンに入りこ
める。さすがだなあ、と感心する。純文学にとって、可読性が
いいことは、プラス評価とはいえず、場合によってはマイナス
評価にすらなるらしいが、僕は、村上春樹の文章は大好きだ。
とても静か、なのである。

これから篠田節子と村上春樹の小説を読んで、王子様を待って
いる乙女のような心持ちで人生をやり過ごすことができるよう
になるのか、それとも、本を壁に投げつけて、俺はもっと違う
物語を生きるぞ、と息巻くのか、いまから楽しみである。

エバンスのBGMは、「カム・レイン・オア・カム・シャイン」
が流れている。
                      (サンシロウ)
posted by サンシロウ at 22:05| Comment(1) | TrackBack(0) | ★読書日記
この記事へのコメント
人ではなく、私ということ、そこんとこ、ひとつよろしく。俺もシゴトで多忙なんだからさ。
Posted by ワタナベ at 2009年07月26日 13:51
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