2010年01月27日

天音画集『おかえり』(4)2010年1月27日(水)



402.jpg
(「月下の島」 (c) amane)



これは、アマネ画集に収録予定の「月下の島」で、
私の好きな作品だ。

空の上から、月明かりの島を見下ろした風景である。
青画用紙の何も描かれていない背景が、
静かな海に見えてくるから不思議だ。

すでに印刷会社にデータ入稿を終え、
今週中に色校正があがってくる予定だ。
発行予定は、3月初頭。

タイトルは、『おかえり』に決まった。

当初、アマネさんは、『幻想光曲』というタイトルを
提案してくれた。

わたしたちは、子供のころ、さまざまな光に包まれながら、
その光のなかで遊び、学び、新しい世界に触れていく。
いや、みずから、光をまとってすらいるのだ。

だが、大人になると、光などそっちのけで、社会生活という
あたかもモノクロームの世界に閉じこもってしまう。

ゲーテは死の床で、「もっと光を」と言ったが、
わたしたちの命をつかさどっているものが、
じつは光なのだと、そして、それを再び、
虚心にみつめてほしい・・・・

そんな願いを込めたアマネさんの提案だったと思う。
もとより、作品は著者のものであり、編集者があれこれ
異議を唱えるのもおかしなものだが、
私は、やや違和感を覚えた。

光を求めて、家を出る。
「毎日旅をして、毎日帰郷する」(まえがきより)
そして、家とは、いつも帰る場所にあるものではなく、
みずからの心のうちにある、というアマネさんの言葉が
頭の片隅にくっきりと残っていた。

そこで『おかえり』というアイデアが出てきた。
私たちは、結局、どこへ帰っていくのか。
その消息が、この画集のテーマを表しているように思えたからだ。

タイトルというのは、きわめて重要なものである。
瞬間に決まることもあれば、延々と、頭をひねることもある。

どのようなタイトルをつければいいのか、決定的な方法は
まだないようだ。

ただひとつ言えるのは、ひたすら、その作品世界に入りこみ、
同化し、その世界をあらわすひとつの言葉が天から
落ちてくるのをひたすら待つしかないと思っている。

いずれにせよ、読者の方々が、どんな感想をもってくれるか、
今から楽しみにしている。

(和田文夫)

posted by サンシロウ at 04:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ■『おかえり』/天音
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