土曜日のせいか、海岸は海水浴客でにぎわう。
その人たちへの大サービスだろうか、あでやかな夕焼け。
富士が、いつもより大きく見える。





家を出るとき、空がぼんやり霞んでいたので、すぐに帰るつもりだったが。





日の入りの時刻をすぎたあたりから、さまざまな色に移りかわる。
美しい。というより、荘厳、というべきか。





月が、うすもやの向こうにぼんやり見える。
なんともいえず、幸福な気分になる。





夏の夕焼け。
おぼろな月。
淡い桃色にそまる雲。





海の家から、低音の利いた騒がしい、品のない音楽が垂れ流される。
いつから我々は、こんなにがさつになってしまったのだろう。

光の音、波の音、月のつぶやき、風のささやきを、
もはやだれも聴こうとしない。