春らんまんである。
とはいっても、三寒四温で、気候はジグザグに進む。
今年は冬が厳しかったせいか、春の訪れに敏感になる。
最近では、気候の異変が感じられると、
異常気象だとか、温暖化だとか、いちいちうるさい。
1年中、サーモスタットの助けで一定の気温のなかで暮らすほうが、どれほど異常なのか、よく考えてほしいものだ。地球ができてからの46億年を考えれば、ここ2、3千年は、奇跡といえるほど安定した環境を保っているのではないだろうか。
などと言うわりに、私は寒がりで、今年の冬はさすがにふるえ、関東大震災(1923年/大正12年)以前に建てられた我が仮住まいの冷え込みは体にこたえ、破れた障子を張り直したり、すきまを補修したり、廊下にジョイントマットを敷いたりと、こざかしくやり過ごしてきた。
そんな日々だったので、久しぶりの好天にこころも浮きたち、午後おそく海岸へ出てみた。
風が強く、波も荒い。
金曜日なのに、そんな状況を事前に察したサーファーやウインドサーファーたちで、海はにぎやかだ。
いつもなら、すぐ砕けてしまう波が、ねばり強く土俵際で持ちこたえ、伸びあがった波頭が、西風にあおられて飛沫を舞いあげる。かなたの富士は、うっすらと春霞におおわれている。
あまりに気持ちがいいので、きずなの森へと向かう。途中、郷土資料館の庭を通ると、ユキヤナギが、文字通り雪をまとったヤナギのように、枝を揺らせていた。
郷土資料館の庭から山道へはいる。このあたりの山道は、何本も錯綜していて、木々が密生していない場所には、富士見の休憩所がしつらえてある。
急勾配の山道をのぼったところに、お気に入り場所がある。
木製のテーブルとベンチが置かれて、相模湾を眼下に見下ろすことができる。
最近、熱中している伊坂幸太郎の「重力ピエロ」を読みつつ、
暮れゆく相模湾の遠景を楽しんだ。
春らんまんである。
2006年03月17日
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