2013年08月11日

沖縄本島・読谷村出張記(その5-2/最終回)2013年6月18日(火)

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(写真をクリックすると拡大します/シグマ、DP2 Merrill)


琉球庵へもどり、荷造りをして、宿をあとにする。リョウタさん
のお母様が玄関で見送ってくれる。ゲストハウスというよりホー
ムステイをしたような気分で、たった2泊の滞在だったが、濃い
時間を過ごせたような気がする。

座喜味城跡へ。一昨日、英ちゃんと訪れたが、写真を撮っていな
かったので、再度、訪れる。平日のせいか、人の姿はほとんどな
く、ゆっくりと撮影できた。ただし、大粒の雨が、ときおり落ち
てくる。この雨粒がレンズについていたようで、あとで現像した
とき、写真にぼんやりベールがかかったようになっていた。とう
ていプロの写真家にはなれそうもない。

座喜味城は、首里王国のグスク関連遺産群として、世界遺産にも
登録されている。最近、富士山が世界遺産になり、マスコミがあ
おり立てるせいか、登山者が急増しているようだ。おなじ世界遺
産でも、座喜味城はひとけもなく閑散としていたが、妙に心をし
んとさせる何かが漂っている。

あとで聞いた話では、座喜味城の城壁にぶつかった気が落ちる場
所、すなわち、風水でいう「穴」が近くにあるそうだ。沖縄戦の
ときには砲台としても使われていた座喜味城だが、この閑散とし
た静けさのなかにも、歴史のさまざまな気が、記憶が、悲喜など
が、眠っているように思えてならない。

城をあとにしてから、近くにある長浜ダムへ。時間があまりな
く、そそくさとダムをあとにしたが、農道を走っていて、つい車
を停めてしまう。いつもの悪いクセで、何の変哲もない一本道を
見ると、写真を撮りたくなってしまうのだ。

おまけに、その道の上には、せりあがるような巨大な雲が伸びて
いる。坂の上の雲か・・・。車を出て、農道に三脚を立てている
と、心地よい浜風が吹きぬけてゆく。いいなあ。

畑と道と雲と海。取り立てて特筆すべきものは何もない。そんな
風景になぜ自分は過剰に反応してしまうのか。これは、長年の研
究課題でもある。じっくり考えてみたいところだが、飛行機は
待ってはくれない

今回の出張の最後の締めとして、またぞろ番所亭へ寄り、遅い昼
食をとる。またしても、紅ざるの大盛りとジューシーを注文す
る。保守的このうえない。

食事を終え、58号線を那覇へ向かって走りはじめるが、途中か
ら雨脚が強くなり、宜野湾あたりから猛烈なスコールとなる。数
メートル先がかすむほどの土砂降りで、飛行機が飛ぶかどうか、
心配になる。が、これくらいの雨では、まったく問題ないように
飛行機は雨の空港を飛び立った。

しばらくすると、眼下に奄美大島が見えてきた。奄美をすぎると、
奄美と喜界島が夕陽を照りかえす海に浮かびあがる。小さな島に
惹かれるのは、なぜだろう。本州も島にはちがいないから、いつ
も不思議な気がする。

小さい、というところがミソかもしれない。ほんらい小さな僕ら
は、大きくなりすぎてしまったのではないだろうか。大きく、広
く、たくさん、という欲望を満足させようと、人々は、つねに過
剰を求めつづけている。

小さな島は小さく暮らすしかない。そこになにか、暮らしを楽し
む知恵があるのかもしれない。1万メートルの上空でそんなこと
を妄想しながら、僕は機内で買った小さな缶ビールを飲んだ。
                        (おわり)
posted by サンシロウ at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ★編集日記
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