2020年09月08日

『孤島の発見』電子書籍化日誌(6)2020年9月8日

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来間島には、こうした小さな浜辺がたくさんある。もちろん、それは来間島にかぎったことではなく、宮古のいたるところにあるだろう。

この、小ささが、こぢんまりした様子が、ぼくは好きだ。人にはそれぞれ、好みの大きさがあるのではないかと思う。久米島ほど小さくはないが、沖縄本島ほど大きくはない。その大きさ、度合いが、ぼくにとっては相性がいいのだろう。

そういえば、この浜辺に腰を下ろし、ペットボトルの冷たいお茶を飲んでいたら、観光で訪れたらしい若い女性が二人、記念写真を撮りにやってきた。二人の話し声は、もちろん、ぼくの耳にも聞こえてくる。

「ねえねえ、ここにさあ、パラソル持ってきて、クーラーにビールとワイン、チーズにカルパッチョ、超天国だよね、明日、来ようか」

天国を超えた「超天国」なるものが実在するのかどうか、僕は知らないが、言いたいことはよくわかる。僕としては、この浜に小さな小屋を自力で建てて、住んでもいいと思っているくらいだ。

[この写真は、2007年7月11日に撮影。2007年の紙版『孤島の発見』には未収録]

2020年09月05日

『孤島の発見』電子書籍化日誌(5)2020年9月4日

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砂山海岸の作業を終え、来間島の作業に入る。
この写真は、来間大橋を渡るまえに、橋の橋脚を見にいったときに写したものだ。潮が引いた岩場を歩いている人を見つけて、その小ささに感動したようだ。それにしても、この人物は、いったいどこへ行こうとしていたのだろうか。

ちなみに橋脚を見にいったのは、よくそこでウミガメが休憩していると聞いたからだ。そのときは、残念ながらウミガメの姿はなかった。

[写真は、2006年7月11日に撮影。2007年の紙版『孤島の発見』には未収録]

2020年09月04日

『孤島の発見』電子書籍化日誌(4)2020年9月3日

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僕はカタカナ語が好きではない。昨今、マスコミなどでは「和の文化」などと、もてはやしながら、現実には、ほとんどアメリカ文化に侵略されているのが今の日本だ。コロナに関してだけでも、「ロックダウン」「東京アラート」「クラスター」など、カタカナ語の嵐で、この8月で100歳を迎えた我が老母には、いま日本で何が起こっているのかすら理解できない。まあ、ボケが入っているせいもあるけど。スマホを使わない人々を無視して運営していくのが今の日本だ・・・。まあ、年寄りの文句はさておき。

僕は、ムーンビーチを「三日月湾」もしくは「三日月の浜」と呼ぶことにする。この、ほとんどいつも人がいない、ひっそりと穏やかな三日月の浜にいると、理想郷、あるいは桃源郷にいるような気分になる。では、桃源郷にいるとき、人は何をするのか。

じつは、何もしないのだ。
ただ、静かに海につかり、そのあと、波打ち際に腰をおろす。遠くの水平線や、うっそうと生い茂るモクマオウの林、巨大な入道雲がゆっくり流れてゆく空を眺めながら、缶ビールを飲む。ときおり、いっしょに行った彼女や彼に向かってささやくように「最高だね」と言って、微笑む。これが理想郷の振る舞いだと思う。

僕にとって、宮古にはそんな場所がいっぱいある。それを確認し、記録するために、写真家でもないのに、写真集を出したのだと、いま、ようやく納得できたような気がする。

[写真は、2012年7月9日に撮影。2007年の紙版『孤島の発見』には未収録]

2020年09月03日

雲を眺めに逗子海岸 No.1477/2020.9.3(木)

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(写真をクリックすると拡大します/SIGMA DP0 Quattro)

台風10号が発生して北上している。
夕方、枝分かれしたような雲はほとんど動かない。
波がやや高いので、波の表情を眺めることにした。

処暑もすでに末候で、穀物が実り、収穫を迎える時期に入った。
夜は、ひやりとした風も流れるが、今日はまだまだ蒸し暑い。
三寒四温ならぬ三暑四涼の頃、というべきか。
台風と秋、という響きに、季節の肌理を感じる。

処暑/末候(42候:9月2〜56日)
禾(こくもの)、すなわち実る。
日の出  5:15(前日  5:14)
日の入 18:06(前日 18:07)

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2020年09月02日

『孤島の発見』電子書籍化日誌(3)2020年9月2日

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「砂山ビーチ」の近くにある、あまり人が行かない浜辺に行くことのほうが多かった。こちらは、山道を越える必要はなかったが、密林あるいは沼地を越える必要があり、それはそれで楽しかった。

この浜辺では、ほとんど人の姿を見た記憶がないほど、静かな浜辺である。きれいに湾曲した、こぢんまりした湾から、地元の人はムーンビーチと呼んでいるらしい。宮古にいくといつも宿泊していたゲストハウスのオーナーからこの浜辺を教えてもらったときも、オーナーは「ムーンビーチ」と呼んでいたはずだ。

このビーチも、どこかの会社の私有地らしく、長年にわたってリゾート建築の予定地になっていたが、実際の施工が行われないので、僕のような部外者でも、その美しい浜で、のんびり過ごすことができたわけである。

湾の奥まった場所に位置しているので、あまり荒れることがなかったような気がする。もちろん、しょっちゅう行っていたわけではないので、なんとも言えないが。それにしても、穏やかで、見晴らしもよく、背後の林も美しかったので、友人たちと、この浜でのんびり過ごすときの「貸し切り感」が強烈だった印象がある。

[写真は、2012年7月9日に撮影。2007年の紙版『孤島の発見』には未収録]

2020年09月01日

『孤島の発見』電子化日誌(2)2020年9月1日

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2007年の紙版『孤島』では、「砂山ビーチ」は収録しなかった。今回、追加収録する気になり、作業を進めている。砂山ビーチは、宮古では有名な観光名所なので、ひねくれ者の僕は、あまり好んで訪れることがなかったのだ。

とはいえ、もちろん、砂山ビーチは好きである。ちょっと肩すかしを食らいそうなほど狭い浜辺なのだが、そこがいい。そして、なんといっても、駐車場に車を止めて、すぐ海、といかないところも魅力的だ。駐車場に車を停め、密林のような急な勾配の小道をぐんぐん上っていく。砂丘植物に興味のある人なら、狂喜することまちがいない。「頂上」へ着くと、眼下に砂山ビーチが見渡せる。そして、白砂で足をとられる急勾配の坂を下るのだ。実際、僕は、この密林急坂の登り降りがしたくて砂山へ行っているふしがある。

[写真は、2007年7月10日に撮影。宮古島・砂山ビーチを見おろす山道。2007年の紙版『孤島の発見』には未収録]

★なお、2007年発行の紙版『孤島の発見』、現在、品切れとなっております。


『孤島の発見』電子化日誌(1)2020年8月31日

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夜半、網戸から流れ込んでくる夜気が、ほんのりと冷たかった。ああ、夏が終わったのだと、すこし寂しくなる。すでに立秋が過ぎ、処暑に入っており、ようやく暑さが峠を越したということか。

いま、2007年に出版した宮古島の写真集『孤島の発見』の電子書籍化の編集作業をしている。2007年の紙版は112ページだったが、すでに140ページを超えている。当初は、単なる紙版の電子書籍化だったが、作業をしていくあいだに、欲が出てきたと言うべきか。これでは、「改訂新版」とか「増補改訂版」という注釈を加える必要があるかもしれない。

それにしても、写真というのは、撮ってから時間が経てば経つほど、記憶と同じように、切り取ったある一瞬に、さまざまな思い、情感、郷愁、憧憬、幸福感・・・などが追加されてゆく。いわば、自分が生きた時間への郷愁だ。

写真は、2012年7月9日、撮影。宮古島・砂山海岸へ通じる山道。火照った草の匂いが漂ってきそうだ。2007年の紙版には未収録。

2020年08月31日

電子書籍のご案内>2020年8月14日
『雲を眺めて、七十二候』

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小説『キリエの誕生』につづき、『雲を眺めて、七十二候』も電子書籍版が発売されました。

『雲を眺めて、七十二候』は、72の季節ごとに撮影した逗子海岸の写真を掲載したもので、2018年3月に紙版が刊行されました。

その元になったのが、このブログ <雲を眺めに逗子海岸> です。本ブログは、2008年(平成20年)9月3日」に第1回の連載がはじまり、12年目の現在では「連載1472回」を数えます。

ブログ用に撮影した6万点の写真のなかから82枚ほどを厳選して、写真集+カレンダーとして出版したのが『雲を眺めて、七十二候』です。

1年を、春夏秋冬の4つに分け、さらに、それぞれの季節を6つに分けたものが、春分、夏至、秋分、冬至などの「二十四節気」です。さらにそれを「初候/次候/末候」の3つに分けたものを「七十二候」と呼んでいます。

72の季節に撮影された写真を見ながら、逗子海岸の四季を味わうことができるでしょう。今回の電子書籍版は、価格も、紙版とくらべて大幅に安くなりました。この機会にぜひ、ごらんいただければ幸いです。



●電子書籍
発行日 2020年8月14日
版数  ver.1.0
形式  フィックス型(画像固定型)
修正  ほぼ、紙版に準拠しています
本体価格 500円+税
流通  アマゾンなど、オンライン書店にて

●紙版『雲を眺めて、七十二候』
発行日 2018年3月21日
判型  B6変型判(左右178×天地128mm)
頁数  168頁
本体価格 2,000円+税
posted by サンシロウ at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ★雲を眺めに逗子海岸

電子書籍のご案内>2020年7月14日
『キリエの誕生』

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そういえば、いま、紙版の書籍の「電子書籍化」を進めています。
2003年に出版された小説『キリエの誕生』が、7月に電子書籍化されました。
「ふつうの女の子」が運命に翻弄されながら再生してゆく物語で、著者(和田文夫)のデビュー作です。
以下に、書肆情報を記します。

●紙版
発行日 2003年11月6日
頁数  256頁

●電子書籍
発行日 2020年7月24日
版数  ver.1.0
形式  リフロー型(テキスト流動型)
修正  ほぼ、紙版にしたがっています
本体価格 500円
流通  アマゾンなど、オンライン書店にて


posted by サンシロウ at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ★雲を眺めに逗子海岸

2020年08月30日

雲を眺めに逗子海岸 No.1476/2020.8.30(日)

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(写真をクリックすると拡大します/SIGMA DP0 Quattro)

夕暮れの青が、さびしい青で、秋の気配を感じる。
シイタケのような雲が広がり、ほとんど形を変えない。
あまりに暑く、秋が深まっていることに気づかない。
すでに処暑の次候。合い言葉は「天地はじめて、寒し」だ。
温暖化のせいなのか、二千年前と今とのズレなのか、わからないが、
ビールがうまいことだけは確かだ。

処暑/次候(41候:8月28〜9月1日)
天地はじめて、寒し。
日の出  5:12(前日  5:11)
日の入 18:11(前日 18:13)

posted by サンシロウ at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ★雲を眺めに逗子海岸